「子どもの習い事」狂騒曲

幼児教育の必要性が叫ばれている一方で、幼児教育に反対意見を唱える専門家もいます。
インターネットで検索すると、「早くしないと手遅れ」などとあおる意見もあれば「早期教育は必要ない」という意見もあり、親としてはどちらを信じていいか分からなくなります。
悩ましい子どもの習い事事情にスポットを当ててみました。

「子どもの気持ち」を第一に考えていますか?

子どもはいろいろな可能性を秘めています。どんな才能が眠っているかわからない我が子。色々な才能を伸ばせるようにあれもこれも習わせたいと欲張りすぎて、子どもの気持ちを置き去りにしていませんか?
特に未就園児は子どもが自ら「これが習ってみたい」とは言わず、親の好みや意向が優先されがち。本当に子ども自身が楽しいと思って通っているのかどうか見極める必要があります。

「それが本当に好き」なのか「ママが喜ぶから」なのか?

親は「子ども自信はとても楽しんで通っている」と思っても、子ども自身はそう思っていないこともあります。
それは「この習い事をするとママが喜ぶ」「この習い事で成果を出したらママが褒めてくれる」というもの。
親自身はもちろんそんな認識はありません。しかし、子どもは親に喜んでもらいたい、認めてもらいたいという気持ちがあり、それは親が思っている以上に強いものなのです。

本人がやってみたいと思えば、何歳でも遅くはない

近年の研究では、習い事を始める月齢に早い遅いはない、とされています。子ども自身がいろいろと見聞きしたり体験したりするうえで、「これが習ってみたい」と口に出すまで親が先回りしなくても大丈夫。
家でママと親密に絵本を見ていたい子もいれば、外で活発に動き回りたい子もいます。性格だって子どもそれぞれ。ですから正解はないのです。

幼稚園や小学校に入ると、友達の影響を受けるようになってきます。仲の良い友達が習っているからやってみたい、そのように言い出す子もいます。そんな場合は習わせてみてOK。一緒に通う楽しさもあります。

ただ、子どもの友達関係は長く続くこともあればすぐに終わってしまうことも。それでも続けられるか様子を見てあげましょう。

「やめたい」と言ったらやめさせてあげて

子どもが習い事をやめたいと言っても「すぐに諦める子になってほしくない」「根性が育たない」など、なかなかやめさせてあげない親御さんもいますが、これは逆効果。子どもが苦痛を感じているのに続けさせる意味はありませんし、そんなことで子どもの根性はつきません。
先生が合わない、お友達が合わないなど、なかなか子どもの口から説明しずらい事情があるのかもしれません。
これから生きていくうえで、子どもなりに「やめたくても続けなければならないことがある」ということは徐々に分かってきます。

一人っ子だから習わせたい・・・

一人っ子はたくさん習い事をする傾向があるようです。1人だから手もお金もたくさんかけられる、という事情もあるでしょう。
しかし親御さんは、一人っ子だからこそ外でたくさんのお友達と触れ合ってほしいと考えています。
普段ワンオペ育児に苦しんでいる母親なら、習い事で知り合ったママ友と話すことでリフレッシュできるかもしれません。それで少しでも母親の笑顔が増えれば、育児にもプラスになるのではないでしょうか。

きょうだいが多くて習わせられない・・・

「うちはきょうだいが多いから習い事をさせる余裕はない」そんな家庭もあるでしょう。しかし、きょうだいが多いことはどんな習い事にもまさる育脳だ、と考える人もいます。
上の子が下の子の面倒を見る、下の子が上の子を模範にする、喧嘩をするのに手加減を心得ますし、おやつを分け合って食べる工夫だって自然と身に付きます。親はいちいち手出し口出しする余裕はありませんから、それぞれが自分で考え自分で行動する力が身に付きます。
習い事をさせていない・・・と心配になる必要は全くありません。