多様な子どもの学びを支える次期指導要領と専門人材配置を考える

学校には、学習への意欲が持てない子や、読み書き、コミュニケーションなどに困難を抱える子がいます。
次期学習指導要領が掲げる「多様性の包摂」には多くの賛同が集まる一方、現場では専門人材や予算を求める声も上がっています。
(※2026年2月3日の朝日新聞の記事を参考にしています)

学校で増えていると感じる子どもの姿

朝日新聞が小中高校の教員や教育委員会職員などを対象に実施したアンケートには、約610人が回答しました。
近年増えていると感じる子どもの傾向では、「コミュニケーションが苦手」が67.3%で最も多く、「登校や学習に意欲が見られない」が66.3%で続きました。
そのほか、読み書きが苦手な子、すぐに手足や言葉で攻撃する子、授業の理解が難しい子、日本語教育を必要とする外国ルーツの子などが挙げられています。
一人ひとりの性格や家庭環境、困りごとは異なるため、全員に同じ方法で接するだけでは支えきれないのだろうと感じます。

教員が最も難しさを感じるのは意欲への対応

学校での対応が難しいとされた項目では、「登校や学習に意欲が見られない」が60.7%で最も多くなりました。
攻撃的な行動やコミュニケーションの難しさ、外国ルーツの子への対応なども上位に入っています。
勉強を教える方法は工夫できても、学校に行きたくない気持ちや学ぶ意欲の低下には、簡単な解決策がないのかもしれません。
保護者としても、子どもが理由をうまく説明できない場合、どう声をかければよいか迷うことがあると思います。
教員だけに対応を任せるのではなく、家庭や地域、専門家が一緒に考える必要があります。

多様性を認めるだけでは実現できない

「多様性の包摂」を前提とする次期学習指導要領については、「とても賛成」「賛成」「やや賛成」を合わせて9割を超えました。
一斉授業だけでは多様な子どもに対応できないことや、教職員、保護者、地域の意識改革につながることが賛成理由として挙げられています。
一方で、適切な支援方法が分からないまま教員が指導することへの不安や、教育課程を分けることで子どもの分離につながるのではないかという意見もありました。
理念には共感できても、人材や時間が不足した状態では、現場の負担が増えるだけにならないか心配です。
賛成、反対のどちらからも、専門性を持つ人材の配置と予算の確保が不可欠だという声が多く見られました。

子どもに合った学び方を選べる学校へ

ニューヨーク州学校心理士のバーンズ亀山静子さんは、適切な評価ができる人材を養成して各校に配置し、発達、心理、福祉などの専門家も加わる体制が必要だと指摘しています。
東京都渋谷区では、2024年度から全小中学校で探究学習「シブヤ未来科」を始めました。
同年度には、不登校の子どもの割合が小学校で0.4ポイント、中学校で0.2ポイント下がっています。
午後の探究活動には参加できた子や、支援する大学生との会話が登校意欲につながった子もいたといいます。
通常の授業になじめない子でも、興味のあるテーマや信頼できる人との出会いによって、学校とのつながりを取り戻せる可能性があります。
子どもを学校の形に合わせるのではなく、学校側が学び方の選択肢を増やしていくことが大切なのではないでしょうか。