コロナ禍による長期休校が続いた学校現場。子どもたちが素直につづった作文が定期誌「作文と教育」(日本作文の会編、本の泉社)8・9月号で紹介されることになりました。
休校中のしんどさやそれを乗り越えようとするたくましさが伝わってくる
定期誌の中では、「コロナ禍での子どもの生活、学校、社会」と題し、小学生15人、中学生1人の作文を紹介しています。
いずれも、同会が全国の教師たちに募って集まったものです。
しんどい毎日を乗り越えようとする姿や、学校再開の喜びがまっすぐに伝わってくる内容が多いそうです。
小学生が素直に綴った文は、こんな内容・・・
●京都府のある小学校6年生は
・午前中は勉強、午後はぼーっとしていた。時々お友達が遊びに来てくれるけど、いつも断っていた。わざわざ来てくれたのに、断るのはつらかった。
・普段は家でゴロゴロしているお父さん。会社の人との電話ではとてもまじめに話していて驚いた。
●高知県のある小学校6年生は
・休みになるのでうれしかった
・久しぶりに学校に行くと、みんなの声を聞いたり笑顔をみたりした。でも、自由はそんなにいいことばかりじゃないとも思った。
●大阪府の小学5年生は
・学校の帰りにマスクを外して、「これがいつもの感じなんだなー」と思いながら気持ちよく風にありながら帰った。
経済的に恵まれない子ども達は窮地に追い込められている
先生達は、学校給食で食を食い繋ぐ子どもや、学校でしか学習に取り組めない子どもがいることに改めて気付いたそうです。
コロナ禍では、教育格差の拡大がおきると指摘しています。
彼らにとってのステイホームはどんな日常だったのか思いを馳せています。
震災の時などでも、子ども自身が不安を感じたり悩みを抱えたりしながらも、喜びや楽しみを見つけようとする気持ちを文章で表現することは、大きな意味がある、としています。
それを、先生や友達に読んでもらい、共有することで安心につながるとのことです。
疲れてきている子どもたちや教論たち
NPO法人 教育改革2020 共育の杜は、7月に教職員にアンケートを行い、1203人から回答を得たとのこと。
このアンケートによると、疲れてきている子どもや精神的に不安定な子どもが増えている、と多くの教論が回答しています。
また、学力格差の増大も懸念されるとしています。
教論たちも、校内の消毒作業や子どもたちへの指導、心の不安と向き合うことに負担を感じている様子が伝わってきました。
2020年8月22日(土)朝日新聞朝刊より出典