小学校に入ると、幼稚園や保育園とは全く異なった環境になります。たくさんの先生達に囲まれ、多くの友達との関わり合う機会ができます。小学生の発達には配慮する事柄をまとめました。
小学校1~2年
まだまだ幼児性が抜けない時期。とはいえ、身も心も著しく発達する時期です。親のフォローを必要としますが、生活習慣やしつけが身についてくる頃。大人の真似もしたがります。
大人に対して「なぜ?どうして?」と質問攻めにする時期。ただし、子どもは答えが欲しいのではなく、自分の問いかけに大人が反応してくれるのがうれしいから、とも言われています。子どもの問いにはできるだけ反応してあげましょう。
自立心が芽生えてはいるけれども、まだ甘えたい時期です。たくさん甘えさせてあげましょう。
好きなおもちゃとは何度もあそんだり、気に入った絵本は何度でも開いたり、一つの遊具でひたすら遊んだりします。そのルーチンを繰り返すことが満足なので、好きなだけ遊ばせてあげましょう。
この時期の子はまだ自分が中心の世界にいます。大人や教師の判断を真に受けて影響を大きく受けますので、大人も道徳観を持ち、決まりやルールを守る姿勢を見せていくことが大切です。
小学校3~4年
手足を使ったことが上手になり、自転車を乗り回す子も出てきます。手先もとても器用になります。
友達と自分の関係にさらなる関心が行くようになり、友達にどう思われるかを客観視できるようになるころ。また集団の中での自分の役割を意識したり、与えられた役割を成し遂げようとしたり、自覚してくる頃でもあります。
得意なことや自慢できることが増える時期。大人はそれを認め、本人の自信につながるような声かけをしましょう。
行動範囲が各段に広がり、学校と家の往復から、近所の公園に行ったり、友達の家にお邪魔をしたりするころ。親も、いつもお邪魔している友達の親御さんに会ったら挨拶をするなど、積極的にコミュニティを広げていきましょう。
また共働きの家では親がいないときに友達を家にあげてはいけないという決まりを作っている家庭もありますので、各家庭の事情を良く言い聞かせ、理解させるのも親の役目です。
ストーリー性のある物語や漫画、科学的な現象に興味を持ち始めます。何か質問されたら「一緒に調べようか」など、好奇心の目を存分に育ててあげましょう。
自分の中で自分なりの道徳観が芽生えてくる時期。時には反抗的な態度を取ることもありますが、まずは子供の考えを尊重し、大人としてはこう考えている、ときちんと伝えましょう。子どもは自分の道徳観と照らし合わせて考えるようになります。
小学校5~6年
心身の成長過程における個人差がとても大きくなる時期です。大人顔負けの言動をする子もいれば、低~中学年が抜け切れないような子もいます。また、だんだん男女差を意識するようになります。今まで男女区別なく遊んでいた子でも、突然同性とだけ遊んだりするようになることもあります。
自分から行動する「主体性」が芽生え、社会の中での自分の立ち位置を意識するようになってきます。親や教師の自分の扱いについて敏感になる時期で、大切にされているかを試すような行動を取る子もいます。大人は冷静になり、いつでも見守っている、ということを伝えましょう。
大人の期待に応えたいと思う反面、自分らしさも出したいというジレンマに悩む子も。おしゃれをしたい、目立ちたい、という要求も出てきます。情緒も安定し、根気や我慢も覚え、社会に適応できるようになってきます。感受性も豊かになり他人の気持ちが分かるようになってきます。
思考力は格段に上がり、大人に対して口ごたえをし、その的を得ている表現力に対し、大人の方が「参ったな」と思うこともしばしば。
そのようなときは「口ごたえするな」「生意気だ」などと一方的に押さえつけず、一人の人間として尊重して話をすることを心がけましょう。
社会性がぐんと芽生え、集団のしくみや運営にそって行動できるようになってきます。そんな活動を経験しながら、自信や誇りを持てる人間へと成長して行きますので、子ども自身が自己肯定感を持てるように見守っていきましょう。