子どもに読書の習慣が身につくまで

「うちの子、本をまったく読まなくて…」そんな声をよく耳にします。
読書習慣は、言葉の力や集中力を育てるだけでなく、想像力や思考力を豊かにする大切な土台。しかし、無理に読ませようとしても逆効果になることも…。
今回は、子どもが自然と読書好きになるためのヒントをご紹介します。

 

1. まずは「読書=楽しいもの」という体験から

読書の第一歩は、「おもしろい!」と感じる体験をすることです。最初から文字ばかりの本を与えると、読書=退屈という印象になってしまうことも。まずは、子どもが興味を持てるテーマの本を選んでみましょう。
たとえば、動物、恐竜、乗り物、魔法、冒険、笑える話など、子どもが夢中になれる題材から選ぶのがポイントです。絵やイラストが多くて文字が少なめの本でも、「楽しく読めた」という経験があれば、それが次の一冊へのステップになります。

 

2. 親が楽しそうに本を読む姿を見せる

子どもは親の行動をまねる名人です。親がスマホばかり見ていると、子どもも本ではなくスマホに興味を持つようになります。逆に、リラックスタイムに本を読んでいる姿を見せれば、「本っておもしろそう」と自然に感じるようになるでしょう。
毎日数分でもかまいません。寝る前に親子で並んで読書する習慣をつけると、読書が日常の一部に。読み聞かせも効果的ですが、親自身が楽しんで読んでいる様子を見せることが何よりの動機づけになります。

 

3. 読んだ後の感想を言葉にする習慣を

「どんなお話だった?」「びっくりした場面はどこ?」「続きを読んでみたくなった?」など、読書のあとに簡単な会話を交わすことで、子どもは読んだ内容を頭の中で整理し、自分の言葉で表現する力が育ちます。
また、親が「この登場人物、おもしろかったね」と共感を示すことで、子どもは「読書を通して気持ちを分かち合える」という喜びを感じられます。感想ノートをつけたり、図書カードにスタンプを押したりするのもモチベーションにつながるのでおススメ。

 

4. 家の中に本がある生活

読書習慣は、習いごとのように決まった時間に行うよりも、「本がすぐ手に取れる環境づくり」からスタートするのが理想的です。子ども専用の本棚や、リビングの目に入りやすい場所に絵本や児童書を置いてみましょう。
本棚の高さや並べ方を工夫して、「見つけて読んでみたい!」と思える空間をつくるのも効果的。定期的に図書館や本屋さんに足を運び、新しい本との出会いを親子で楽しむ時間を持つのも、読書を身近にする大切な習慣です。

 

5. 子どもの成長に合わせて本も成長させる

低学年のうちは、短めで起承転結がはっきりした物語や、絵が多くて理解しやすい本がおススメです。中学年になってきたら、シリーズものや、ちょっとした謎解き要素のある本、読みごたえのあるノンフィクションなどもチャレンジしてみましょう。
高学年になると、感情移入しやすいストーリーや、社会や歴史を背景にした物語にも興味を示しはじめます。子どもが「読み終えた!」という達成感を感じられるような本を少しずつ増やしていくことで、自然と本を読む力も育っていくでしょう。