巣ごもり生活が影響か?子どもの視力低下

長引くコロナ禍で家にいる生活が増えたため、視力が低下した子どもや肥満傾向のある子どもが増えたとのことです。
GIGAスクール構想で一人一台端末配布も本格的に始まりました。保護者はどんなことに気を付けたらいいのでしょうか?

裸眼視力が0.1未満の小学生は全体の40%

文部科学省が7/28に2020年度学校保健統計計画を公表しました。それによると、小学生の4割と中学生の6割が裸眼視力が0.1未満だったとのことです。さらに、肥満傾向にある子どもも増えているとのこと。長引くコロナ禍で家にいてあまり外に出ない生活が影響しているようです。

例年学校の健康診断は4~6月に行われます。しかし昨年度は一斉休校の影響があり、年度内のいつでも行って良いとなりました。そのため、一概に比較するのは難しいですが、昨年よりも高い数値だったとのこと。
また、標準体重よりも20%重い肥満傾向のある子どもも全学年で増えていたとのことです。

日本眼科医会の柏井常任理事は、昨年の一斉休校が影響していると指摘しています。
外出の機会が減り、近視の予防に効果があるとされる日光を浴びる機会も減り、自宅でゲームをしたり動画を視聴したりする時間が増えました。授業もオンラインが増えました。
そのため、例年よりも目に負担がかかり、視力の低下や肥満傾向の増加傾向がみられたのでは、と話しています。

今年度から本格的に始まったGIGAスクール構想の影響は継続的に調査

今年度から本格的に始まった、1人に1台端末を配布するGIGAスクール構想。文部科学省は影響を調べるために、全国の約9,000人を対象に、端末と視力の関係について調査を始めているそうです。
これからの学校生活で必要とされるICT教育。子どもと視力の関係は、スマートホンやタブレットが普及するにしたがって問題視されてきました。しかし、今では育児には無くてはならないツールであるスマホやタブレット。各自治体は眼科と連携して、有効な対策を考えていくようです。

月1で視力検査を実施する神奈川県大和市も

神奈川県大和市の教育委員会は、4月より市内の小中学校のクラスに視力検査表を配布する予定です。
一般的に視力検査で使われる「C」の字が書かれている表で、児童生徒は月に1回以上休み時間などを利用して記録を付けます。
もし視力が低下した場合、担任から保護者へ連絡がいきます。そうすれば、目の休養を促すことができます。
市は、日ごろから自分の視力を意識して生活することで、予防につながるのではと効果を期待しています。

保護者も一緒に実行!具体的に気を付ける点とは?

①目と端末は30cm以上離す
②30分に1回は遠くを見て目を休める
③目線と画面は垂直に保つ
④机は肘が直角になる高さにする

日本眼科医会は、このような注意事項を分かりやすく漫画で描いたポスターを作って配布する予定です。
大人も普段からこのようなことを意識していれば自然と子どももできるようになるかもしれません。

2021年7月29日(木)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/