子供のための安全な遊び場として注目!「かまくら冒険遊び場・梶原」

2019年11月に鎌倉市梶原にオープンした「かまくら冒険遊び場・梶原」。子育て支援だけでなく、地域の多世代の交流の場としても注目を集めています。いったいどのような場所なのでしょうか。

地域の保護者が見守る子供が自由を満喫する場所

鎌倉市とNPO法人 かまくら冒険遊び場やまもり が協働して運営している「かまくら冒険遊び場・梶原」。子どもの好奇心を育み、自由に遊べる安全な場として注目を浴びています。
出入りは自由でしかも無料。1999年春に閉館となった梶原子ども会館と併設する市有地を活用して開設されました。
毎週火・水・金・土のAM10:00~PM5:00まで開かれており、見守りは地域の保護者らが2,3名でやっています。ケガをしないように道具の使い方を教えたり、外遊びを指南したりしています。

ケガも必要な経験と捉えて見守る

地域の保護者らが見守ってはいますが、なるべく禁止事項は排除しているとのこと。子供たちは自由に急斜面を駆け回ったり大工道具と格闘したりと、好奇心の赴くまま自由を満喫しています。
見守る大人のスタンスは「お口チャック」と「手は後ろ」。子ども自身が危険と感じる感覚を大切にし主体性を持たせて遊ばせることに重点を置いています。
ケガだって大切な経験。おおらかにゆるく見守っているとのことです。

遊び場の減少し共働きの増加し、夏休みは酷暑で遊べない・・・

子供の遊び場が減っているニュースを耳にしたことがあるでしょう。高齢者が増え続ける今日、公園では「ボール遊び禁止」や「騒がない」など、お年寄り目線。共働きが増加し、学童保育も定員オーバーで入れないこともあります。夏休みは酷暑で外遊びができず、家の中でスマホやゲーム。
「子供の体力が落ちている、保護者は何をやっている」と言われても、保護者だって困っているのは同じなのです。
その地域に安全安心して自由に遊べる施設があるのは本当に助かります。

自由な発想で好きに遊ぶ重要性

幼児教育が叫ばれている中、習い事をさせたりするのもいいのですが、大人が与えたおもちゃや教具で大人が褒めるような遊び方しかできない子供が増えているともいわれています。大人のルールの中でしか評価されない子どもも気の毒かもしれません。
自由に野山を駆け回ったり、落ちているもので自由に遊んだりするのも大切な経験。四肢のバランスを取ったり、危険なことを感覚的に学んだりする機会も大切。
おもちゃもルールも道具もない中、自由に子どもたちで考えて遊びを生み出す力を持っているのが子供です。

子どもの頃に習い事ばかりさせられて育った子供は、大きくなってテストをした時、分からない問題は白紙のまま提出する子供が多いという調査結果があります。
逆に自由な発想でたくさん遊んできた子供は、自分で工夫して、たとえ間違っていても「こうではないか」と何かしらの答えを書く傾向が強いそうです。
自分の頭で考えて工夫して解決しようとする力が幼い頃の自由な遊びや発想力で育ってきた証拠かもしれかせん。
大人の価値観や大人のルールだけで子供を評価しないことが大切と言われています。

2020年1月11日(日)朝日新聞朝刊より出典