9月が新学期の欧米、学校再開への動きは?

新型コロナウイルスの感染拡大がなお続く欧米諸国。多くは9月から学校が再開されます。
日本では感染が急拡大した4月~6月に学校が休校し、再開された今、多くの負担を抱えながら生徒も教師も一歩一歩前に進もうと努力を重ねています。

経済復興のためにも学校は再開させないと・・・

欧米諸国は、基本的に経済を復興させるには、学校の再開は不可欠、という考え方です。
しかし、集団で過ごす学校は感染源となるケースもあり、各国とも揺れているようです。

社会性を育む学校は重要な居場所

子どもは学校で勉強だけを学ぶだけではありません。日本も長く休校をしいられ、学校に行く意味は勉強だけではなく、社会性や協調性、自立心などさまざまな面の成長が期待できることがわかり、休校中は子どもたちは相当なストレスを感じていたようでした。
欧米でも同様で、学校は社会性を育む上でとても重要な場所であると認識しています。再開は望まれるところですが、もし感染者が出てしまったら休校となります。感染者が出続けたなら、1年中休校になってしまうのではないかと懸念する保護者も多いです。

日本と同様、工夫する学校現場

例えばイタリアのある小学校は、机と机を1メートル以上離すように固定したりしています。特にイタリアは学校再開にこだわりを持ってきたとのことです。
教育相は「学校再開は最優先課題であり国の義務」とメディアに語りました。
背景には子どもを学校に預けないと働けなくなる保護者が多いこともありました。

子どもは感染しても重症化しにくいが・・・

新型コロナは子どもは感染しても無症状か軽症が多いと、世界中で報告があります。日本では10代以下の死亡例はありません。
海外も同様に重症化や死亡する子どもはほとんどいないと言われています。
そのため、休校させる方が心身の発達にリスクがあると考える専門家も多く、感染防止対策を十分に取って学校は再開させていいのでは、という意見も多いです。
ただ、無症状のまま同居するお年寄りに感染させてしまう恐れもあり、判断が難しいところでしょう。
そのような家庭には、可能な授業はオンラインで行うなど、工夫が必要かもしれません。

2020年9月1日(火) 朝日新聞朝刊より出典