子どもの成長を促すプロンプト

挨拶や身支度などの社会性を身に着けるために必要なスキルを身に着けても実行に移すことが確実ではないときに、行動にうつすきっかけや手助けとなるのが「プロンプト」です。

さまざまな種類があり、子どもに成功体験を積ませやすくなると言われています。こちらではプロンプトについてご紹介しましょう。

プロンプトとは

「刺激する」「駆り立てる」「促す」「引き起こす」などの意味を持つ英語「プロンプト(prompt)」。

よく使われているのが、「ありがとう」を言わせたいときに「なんていうんだっけ?」と言葉を促すこと。

離乳食の際にスプーンをもつお子さんの手に保護者の方が手を添えてガイドするのもプロンプトです。

ちょっとした促しや気づくきっかけを与えることで、お子さんが目的の行動をできたときに達成感を覚えやすくなります。

「ありがとう」と言えたときに喜んでもらえたり、褒めてもらえたりした成功体験がお子さんを成長させてくれるのです。

自尊心や自己肯定感を高めることにもつながるでしょう。

プロンプトの種類

プロンプトには身体的プロンプト、言語的プロンプト、視覚的プロンプトがあります。

身体的プロンプトは「手取り足取り」教える方法で、お箸やクレヨンの持ち方、使い方をガイドしたり、肩を叩いて注意を引くことなどです。

言語的プロンプトは「こういうときはなんていうんだっけ?」「ありがとうって一緒に言おうね」など声をかけての手助けです。

「洗濯物干すの手伝って」など具体的に何をしたら良いのかわかりやすく伝えることも言語的プロンプトの一つになります。

視覚的プロンプトは日常生活でもよく見かける標識や絵文字など。

印をつけて「ここに立っていて」と伝えたり、指差しで意図を伝えたりなども目で見てわかるプロンプトになります。

プロンプトフェイディングで自律を促す

いつまでもプロンプトを行わないと行動ができないという状況は、保護者の方が過剰にプロンプトを行っている可能性があります。

プロンプトがなくとも自分で何をするべきか気づき、行動を選択するようになる支援が必要になるのです。

それがプロンプトフェイディングになります。

「フェイディング」は消えていく、弱まるという意味で、プロンプトを少しずつ弱めてなくしていくことです。

「ありがとう」を言ってほしいときを例に挙げると

最初は「こういうときは「ありがとう」っていうんだよ」と伝えていたものを「こんなときは何ていうのかな?ありが?」、「あり?」と段階的にとどめ、k共が気づくのを待ちます。

少しずつ調整していき、お子さんが「自分でできた」「自分で言えた」という成功体験を増やして自律を促していきましょう。

うまくフェイディングできたら、お子さんが何でも手伝ってもらって依存してしまうということはなくなります。

お子さんができたときにしっかりとほめて、またチャレンジしようと思えるようなプロンプトの出し方をしていきましょう。