育脳につながる幼児教育の一つ、「シュタイナー教育」。
哲学博士のルドルフ・シュタイナーが提唱した多面的な個性を重視し、個人の能力を最大限引き出すことを目的とした教育理念です。
こちらではシュタイナー教育についてご紹介しましょう。
シュタイナーの教育理念
ドイツを中心に活躍したシュタイナー教育の提唱者、ルドルフ・シュタイナー哲学博士。
シュタイナー博士が提唱する教育理念を
「子どもの魂の中にあれこれいろいろなものを注ぎ込んではなりません。そうではなくて子どもの精神の前に畏敬の念を持つのです。この精神は自分自身で成長していきます。私たちの責任は子どもたちの成長を妨げる障害物を取り除き、その精神が自分自身で成長するきっかけをつくってあげることなのです」
と伝えています。
精神学や芸術、教育学を踏まえた上で子どもたち自身の成長のきっかけとなる教育ということです。
ちなみにシュタイナー教育を行っている学校は、日本では学校法人となった2校を含む、8校の全日制学校が開校しています。
7年周期で充填が変わる教育
シュタイナーの「人間学」という教育理念では、頭と心と身体の成長が一度に行われるのではなく、月齢に合ったできごとが、そのふさわしい時期に子どもの中で成長していくことに注目しています。
0歳~7歳では、身体を動かしながら育む「意志」の力を育て、思春期における内面形成・思考形成の土台を作ります。
7歳〜14歳までは「心」や「感情」を育て、自分でたくさんの豊かなイメージをつくって学び、感情の土台を作ります。
14歳〜21歳までは「思考」の形成に重点が置かれます。
知識を得るだけだったのが、この時期から論理的に思考し、イメージとイメージを結びつけて思考の土台を作る教育を行うのです。
子どもが見て触れるおもちゃの大切さ
シュタイナー教育におけるおもちゃは、子どもたちの中に潜むファンタジーを引き出し、イメージを広げていくものとして重要な役割を担っています。
可能な限り単純なおもちゃを与えることがよいとされています。
本物そっくりに作られた人形やキレイで精巧なおもちゃを与えられると子どものファンタジーの世界観を壊してしまう可能性があります。
子どもの内的なイマジネーションを刺激するようなひとかけらの木で十分だという考え方です。
シュタイナー博士は
「子どもは、永久歯が生える頃までは、まったく一個の感覚器感であり、悟性(論理的にものごとを判断する力)ではなく、ファンタジーの中に生きています。生まれてからこの頃までに体験したあそびが、全生涯に意味をもつのです」
と伝えています。
周囲の真似をすることで全身で表現することを覚え、子どもの本質や空想力を育んでいくのです。