男の育児トホホ体験・・・グズる我が子に「誘拐犯では?」

「男女共に家事育児に関わろう!」政府が「男女共同参画」を掲げて数年。しかし現実的には家事・育児・介護は女性が中心となって担っているケースが多いものです。
まだ、男性が子どもを連れて出歩くのは珍しいのでしょうか。ここでは誘拐犯に間違えられた人の実話をご紹介します。

新幹線内でグズる我が子に手こずり・・・誘拐犯と間違えられる

エッセイストの犬山紙子さんとミュージシャンで漫画家の剣樹人(つるぎみきひと)さん夫妻。夫婦には2歳になる女の子がいます。二人ともフリーランスに近い就業形態のため、夫の劒さんは普段から積極的に育児に関わているとのこと。

ある夏の日、劒さんと2歳の長女で新幹線に乗った時のこと、しばらくして長女がぐずり始めてしまったそうです。周りの男性客から嫌味を言われ、しかたなくデッキに避難しました。しかし長女はなかなか機嫌が戻らず・・・。
そうしたら次の駅で、いきなり警察官が乗ってきて囲まれてしまったとのこと。どうも他の乗客が「誘拐犯ではないか」と通報したとのことです。
「小さな子」「泣き止まない」「男性が連れている」「個性的は風貌」このようなことが重なり、自分の子どもをあやしているだけなのに誘拐していると思われてしまったそうです。

母親と子どもなら怪しまれない

これが母親と子どもなら通報はされないでしょう。父親と小さな子どもが二人で新幹線に乗るケースはなかなか見られないからかもしれません。
新幹線は発車時刻が少し遅れてしまいました。さらに出発した車内では身分証明書の提示を求められ、最終的には妻である犬山さんに電話をして、身の潔白が証明されました。
自分の子どもを連れていてぐずるのをあやしていただけなのに、誘拐犯に間違えられて通報される・・・劒さんはまさかこんなことをされるなんて思ってもみなかったようです。

犬山さんがSNSに上げたら反響が大きかった

面白い話-という程度の気持ちで犬甘さんがSNSにこの一連の件を上げたら、とても反響が大きかったそうで、ご夫婦も驚いたそうです。
男性が小さな子どもを連れている時点で、社会から厳しい視線を浴びているということかもしれません。
常にそういうプレッシャーをかけられていると思った方が良さそうです。
また、怪しまれないように、お揃いの服を着る、などの対処法をリプライしてくれた人もいたとか。
まだまだ男性が育児に参加するのが珍しいことの表れなのでしょうか。男性が普通に子どもを連れて歩いている姿がだんだんと増えるといいですね。

2019年10月19日(土)朝日新聞朝刊より