こども庁の創設は次期衆議院選挙の目玉政策? 少子化や子どもの貧困をなくしてほしい!

子どもに関するさまざまな問題に一元的に取り組む「こども庁」。自民党は4月13日に「こども・若者 輝く未来想像本部」の初会合を開きました。未来の子ども達のためになる組織作りを進めることを望みます。

縦割り行政を無くすことが目的

菅首相は、次期の衆議院選挙の目玉政策として、「デジタル庁」の新設とともに「こども庁」の新設にも力を入れています。
課題を整理し、5月中にも政府への提言を取りまとめます。
現在、二階自民党幹事長が本部長となり、厚生労働大臣などが加わって会合を開いています。

虐待、貧困、幼保一体化・・・問題山積

こどもにまつわるテーマは多岐に渡っており、今現在、何をやるのかが整理されていない状況とのこと。
それぞれの問題を所管する官庁も複数にまたがっており、利害関係を調整するのに難航しそうだとのことです。
初会合に出席した議員の中には「とても危険なパンドラの箱をあけてしまったのでは」と心配する声も聞かれました。きちんとまとめ上げないとあとあと何かと言われかねません。
二階本部長は創設時期はできるだけ早い方がよい、と見ていますが、2021年秋の衆議院選挙に本当に間に合うのか、という声も聞かれるそうです。

例えば文部科学省主幹の幼稚園と厚生労働省主幹の保育園のこども庁の下に・・・

縦割り行政で不合理といわれるさまざまなことについて、有名なのは、保育園は厚生労働省がとりまとめ、幼稚園は文部科学省が取りまとめているという事実。これをこども庁の下で統一することが柱とされています。

少子化や子どもの貧困政策をきちんと実行してほい!

少子化対策が叫ばれて以来、少子化は改善される兆しが見えず、むしろ進んでいます。
また、子どもの7人に1人は貧困に苦しんでいると言われています。増えるひとり親への支援もまだまだ足りないでしょう。
これらの関連政策を根本から見直すことが目的なのに、器作りの議論ばかりされることに不安を抱く人は多いでしょう。

日本大学で教育行政学を専門とする末冨教授は、「子ども達の命や権利をどう守るかが最も大切。それを守るための組織としてこども庁を創設する、という順番になっていないのでは」と懸念を示しています。

自民党が本気で子どもの政策を充実させるならば、国や地方自治体の公務員の増員もセットで考えるべき、とも語っています。

いずれにせよ、安心して子どもが産み育てられる社会になり、将来結婚して子どもが欲しいと思う若い世代をどう増やすかが一番の焦点ではないでしょうか。

2021年4月14日(水)朝日新聞朝刊より出典