冬が到来し、新型コロナの第三派に見舞われている現在。この度世界中でさまざまな調査がされ、世界的に見て子どもはかかりにくいことが分かっています。
どんな理由が隠れているのでしょうか。
10代以下の感染者は全体の8%程度
以前から子どもは感染しても無症状や軽症が多いことは言われていました。厚生労働省の統計によると、11月25日現在で10代以下の感染者は全体の8%しかいません。
日本を含む世界32か国の研究結果を見ても、感染者の割合は、20代以上を1とすると20代未満は0.56と約半分です。
子どもは新型コロナを受容するたんぱく質が少ない
新型コロナは、細胞の表面にある「ACE2」というたんぱく質に取り付いて体内に取り込まれ、感染します。このACE2は年齢が低くなるほど少ないという報告もあります。
また、免疫の働きそのものが大人とは違うのではとも言われており、確定的な理由は解明されていません。
ただ、10歳から19歳の若年層に限っては20歳以上と感染割合はほとんど変わらないことが分かっています。
子どもであっても10歳を過ぎたら感染のしやすさは大人と変わりないと考えましょう。
逆に言うと、10歳以下の子どもが特別かかりにくいのかもしれません。
なぜか子どもは他人にも感染させにくい?
子どもは感染しにくいだけでなく、他の人に感染させにくいことも分かってきました。
家族内感染があった107の事例を調べたところ、子どもが一番初めに感染した場合、他の家族に感染させたのは1例だけでした。
子どもは鼻の奥に多量のウイルスがとどまっている?
新型コロナを発症した子どものうち、5歳未満の子どもの鼻の奥を調べると、18歳以上の人よりも10~100倍もウイルスがとどまっていた、という報告もあります。
鼻の奥に多量のウイルスがとどまっているのにもかかわらず、なぜ他人に感染させにくいのかは、分かっていません。
園や学校の行事はなるべく開催して、と小児科医
気温や湿度が下がると、ウイルスは活発に活動することが分かっています。
現在第三派が襲来中の日本。でも感染対策を取って園や学校行事などはなるべく開催して欲しいと、川崎医科大学小児科の中野貴司教授は語っています。
今年の5月に緊急事態宣言が出され、園や学校は休校になり、子どもの心身の発達にさまざまな影響があったと言われているからです。
また、もし感染してしまっても子どもたちを責めないで、とも訴えています。
2020年12月6日(日)朝日新聞朝刊より出典