賢い子は朝食を食べる!

共働きや一人親、外国籍の子供が増えている昨今、親と一緒に食事ができない子供が増えていると言われています。
夕食を提供する「子ども食堂」は全国に増えつつありますが、最近は朝食を提供する学校も増えてきたとのことです。

朝食を摂る子供の方が学力が高いという現実

文部科学省によると、朝食を摂る子どもの方が摂らない子供よりも学力が高いというデータを公表しています。子どもの学力と朝食の因果関係ははっきりしているとも公言しています。

しかし、現代はさまざまな事情から朝食をたべたくても食べない、食べられない子供たちが増えています。
学力全体の底上げを図るにはまずは朝食。朝食を食べることによって血糖値が上がり、勉強にも集中できることは知られていますが、同時に情緒の安定も図れるとも言われています。

増えている朝食の欠食

全国学力調査では小6で4.6%、中3で6.9%が、朝食をたべない、あまり食べないと回答していました。
今までは「朝食を食べる・食べないは各家庭の問題」とされてきましたが、専業主婦世帯は減り、深夜労働に就く人も増え、自治体や地域が関わらないと子どもの心身の健康や学力に影響が出る、と考え方が変わってきたようです。

広島県での取り組みは・・・

広島県は2017年に調査を行いました。すると、小学校高学年~中学校の子供のうち、約1/4に生活の困窮がみられ、小6の朝食欠食率は、2013年は3%だったのに、2018年は5%にも上がっていることも分かりました。
そこで、広島は県をあげて子どもの朝食支援を始めました。
広島県府中町立府中小学校では2019年2月、地元の婦人会と協力して、週1回希望する家庭に朝食を提供する取り組みをはじめました。
食材は16社が無償提供をしてくれています。冷蔵庫などの初期費用は県が自治体に補助金を出し、1校あたり300万円を負担しています。
落ち着きのない子どもが穏やかになったり、教室に入りたがらない子供が朝食をきっかけに入れるようになったりと、効果は出ているとのことです。
朝食提供は他の自治体でも取り組んでおり、東京都足立区や兵庫県西淡路なども始めています。

アメリカや韓国でも

アメリカや韓国は既に朝食提供の取り組みが始まっています。凶悪な犯罪が多いアメリカでは、子供同士の騒動が減ったりと、効果が出ているそうです。韓国では、親子でキャンプをするなど、家族全体を支援する取り組みもしているとのことです。

2020年1月26日(日)朝日新聞朝刊より出典