赤ちゃんの脳は驚くべき早さで発達すると言われています。脳細胞の情報伝達ネットワークは3歳の時点で約80%出来上がるとも言われています。
赤ちゃんにはたくさんの愛情を注ぎ、やさしい刺激をたくさん与えてあげて、脳の発達を促せたらいいですね。
「三つ子の魂百まで」の本当の意味
少し前までは「3歳までは母親がそばにいて育てるべき」という意味と誤解され、働く母親を苦しめていましたが、本来の意味はそうではありません。
これは、3歳までの生育環境がこれから成長するうえで大切な土台となる、という意味。母親が働いていようがいまいが関係ありません。大切なのは、信頼できる周りの人たちから愛情をもって育てられているかということです。
子どもの脳は3歳までに80%完成するの?
脳の神経細胞のそれぞれ繋ぐ役割を担う「シナプス」という物質があります。このシナプスの結合が3歳までに急激に増えることが分かっています。これは、脳神経同士をつなぐネットワークの構築が3歳までにものすごい速さでたくさん構築される、ということです。
脳神経細胞の核の周りから無数のアンテナを枝状に伸はしていきます。その先端にシナプスという接触部分があり、これが他の神経細胞とつながります。無数の神経細胞が無数にシナプスで繋がることで脳神経細胞のネットワークが構築されます。それぞれシナプスで繋がれた脳神経細胞は電気信号を通じてそれぞれ複雑にやり取りをします。
3歳までに80%・・・というのは、脳神経細胞同士がそれぞれ複雑に繋がり、脳神経細胞同士の情報のやり取りが盛んにおこなわれるためのネットワークの土台が80%くらい構築される、という意味になります。
3歳までの最も大切なのは信頼関係や愛情など「情緒の土台」
赤ちゃんの脳はいろいろな外からの刺激でどんどんそのネットワークを構築していきます。
これを聞くと、両親は「早いうちから習い事をさせなくては」など、幼児教育を想像する方もいるでしょう。しかし、3歳までの赤ちゃんに大切なのは教育的な要素ばかりではありません。
一般的な感覚(見る・聞く・匂う・触る・味わうなど)はもちろん、信頼できる周りの大人やきょうだいから愛情をもって可愛がられて過ごすこと、お腹が空いたり機嫌が悪くて泣いたときに誰かが暖かく抱いてくれるなど。
要は情緒面での正常な発育が人格形成のすべての土台となり、これが最も大切なのです。
高価な育脳系のおもちゃを買い与えたり、高額な習い事を否定するわけではありません。日々普通に過ごしていれば、脳内のネットワークはどんどん構築されていくということを心にとめておきましょう。