新型コロナウイルスの感染者がなかなか減らない中、密かにRSウイルスの感染者が増えているというので要注意です。例年は秋ごろに流行しますが、今年は6月頃から感染者が増えていたとのこと。初めて感染する乳幼児やお年寄りは注意が必要です。
2020年は他の感染症もほぼ確認されなかった
2020年は1年を通じてほとんど報告がなかったRSウイルス。これだけではなく、インフルエンザや手足口病などもほとんど流行しませんでした。
新型コロナウイルスの影響で、3密を避けマスクの着用や手洗いに気を使うことが増えたためと考えられています。
さらに、海外からの渡航者が減ったことや、保育園や学校が一時休園休校になった影響もあるようです。
RSウイルスは。多くの人は軽い風邪程度の症状で済みます。しかし、中には重い肺炎を引き起こすことがあるため、軽く見てはいけません。
2021年は免疫を持たない乳幼児を中心に流行か?
RSウイルスは1歳までに約50%、2歳までに100%近くの確率で感染すると言われている一般的な感染症です。以後何度も感染し、大人になっても感染します。
生活習慣が改まり、昨年は0~2歳の乳幼児の多くが感染を逃れたと考えられています。そのため、免疫を持っていない乳幼児が増えたことが流行の原因の一つと考えられているとのことです。
さらに気候も関係していると考えられています。RSウイルスは冬場に感染が増えますが、気温も湿度も高い状態でも流行が広がる傾向があります。
今年は九州地方の梅雨入りが早かったため、早い時期からRSウイルスの感染者が報告されました。
ここ10年ほど流行する季節が早まってきており、夏ころから流行する年が多かったとのことです。
乳幼児の体調の変化を見逃さないで!
●呼吸が早くなっている
●肩で呼吸をしている
●咳がひどくてあまり寝られていないようだ
●母乳やミルクの量や食欲が減った
乳幼児にこのような体調の変化が見られたら、医療機関を受診しましょう。
コロナの陰に隠れていても、乳幼児は多くの感染症の危険にさらされていることを忘れてはいけません。
2021年8月11日(水)朝日新聞朝刊より出典・引用しています。
https://www.asahi.com/