LINEという非常に便利なツールは、すでにただのアプリという位置付けではなく、スマホ生活に必要不可欠なプラットフォームとして君臨するまでになりました。
ただ、便利なものが出てくるとその使い方には必ず賛否両論が付きまといますし、使う方のモラルやマナーが試されることもしばしばです。
園側が禁止する権利はないのでは?
園や学校で、保護者同士のLINEトラブルを避けるため、「保護者同士のLINEは禁止」とまでするところも出てきました。これはあまりにも短絡的です。憲法では国民の通信の自由を保障していて、これの権利を侵害する恐れもあります。
まれに「保護者同士のLINEはしない」という誓約書にサインを求める所もあるようですが、これは明らかに通信の自由の侵害になります。
園はあくまでも「お願い」とすることを前提としなければなりません。
園は、保護者のトラブルまで対応していられない
LINE上での問題行為や保護者同士のトラブルについて園に相談する保護者がいたからこうなったのでしょう。
基本的に園は子ども同士のトラブルは対処してくれますが、親同士のトラブルを対処する所ではありません。
そこを理解していない一部の保護者がいたため、問題が大きくなったのかもしれません。
一部の無秩序な人のために全員が不便な思いをする世の中
世の中のあらゆる場面で「これは禁止です」と掲げている場面があります。中には「どうしてだめなの?制限しすぎじゃない?」と思うことも。しかし、世の中のごく一部の無秩序な人たちのために、全員が不便な思いをするのはよくあること。
園が禁止としてしまえば、もし使ってトラブルが起きた場合でも「使った方が悪い」と言えます。そうでもしないと対応しきれない園にも少し同情したくなります。
「禁止してくれたことで楽になった」という保護者も
保護者の中には、園から禁止としてくれたことで逆に楽になった、という意見もあるのだとか。確かにいつも繋がっていることが自体がストレスに感じる、という保護者もいるでしょう。保護者全員が「ママ友が欲しい」「知り合ったらLINEの交換がしたい」とは思っていません。「ママ友付き合い自体が苦手で、ランチ会はストレスでしかない」という保護者だっています。
高校生の方がよっぽど上手に使っている現実
子どもが高校生になりスマホを持った場合、「トラブルが多いので、我が家はLINE禁止」とできるでしょうか?現実的に無理でしょう。
禁止するのではなく親子で使いながら一緒に学ぶことが大切なのではないでしょうか。
LINEを通じて嫌な思いをしたり、相手に迷惑をかけてしまったりすることで、学ぶこともあるでしょう。
マナーやモラルは人それぞれで全く同じ人はいないことも理解しますし、それが他者の価値観を受け入れることに繋がるかもしれません。
今では「保護者よりも高校生・大学生の方がよっぽど上手な使い方をしている」と言われます。頭が追いついていないのは保護者の方なのです。
高校生や大学生は、新しいものにすぐに順応するし、ネット社会のトラブル回避術を身に付けるのも早いです。保護者の方が遅れている、と謙虚に受け止めた方がいいのかもしれません。
朝日新聞あり